現代アラビアの女性 ≪イスラム・女性・教育≫

アラビア半島諸国では、男女隔離が行われている地域が多いが、男性の世界のほうが上であるという観念は存在しない。

女性の世界のほうが重視されることも多い。

また男女隔離のゆえに、女性が高度な専門職に進出する道が開かれている面がある。

女性は女性医師に診てもらうほうがよいという考え方から、女性医師の養成が盛んである。女子教育のための女性教員も増加している。

アラブ首長国連邦やサウジアラビアには女性専用の銀行ができ、店長以下すべて女性である。

男女隔離の象徴として知られるベールは、日よけ、砂よけといった実用のほか、外見などによって女性が商品化されるというような傾向を阻止している面もある。

1960年代から、アラビア半島では教育熱が高まり、女子教育にも力が入れられている。

サウジアラビアのリヤド大学、アブドゥル・アジズ大学などには女子の入学が急増し、女子教員学校、看護婦養成学校、女子医学部などが設置されている。

高等教育を受けた女性の割合はまだ少数であるが、これらの女性は教員、医者、ジャーナリストなど、かならず社会的労働に参加し、結婚後も仕事を続けているのが普通である。

ほかのイスラム諸国と違い、イスラム法を遵守するサウジアラビアでは、女性の相続分が男性の半分であったり、法制上、多妻が許されている。

このことは、女性にマイナスのイメージを与えるものであろう。

しかし、イスラムのなかに存在する契約精神は、女性の地位を支える面もあり、おおむね自立意識の強い女性たちは、教育・経済界等で活発に活躍しており、その社会貢献度には、侮りがたいものがある。

サウジアラビアの非識字率は、1974年には67%であったが、92年には28%、95年には25%と着実に低下しており、女子教育、成人教育を含めた教育の普及は目覚ましい。

ちなみにこのような非識字者撲滅教育運動の成果に対して、96年サウジアラビアはユネスコより表彰された。

さらに2001年には、サウジアラビア人女性、ソラヤ・オベイドThoraya Ahmed Obeidが、国連人口基金事務局長に就任し国際的に活躍している。
update:2010年02月24日